メカモグラを無線で操縦し、透明・不透明のパイプを組んだコースを相手より速く走らせられるかを競った(24日、山形市)

建物内配管の検査ロボットを応用した玩具「メカモグラ」の操縦技術を競う全国大会が山形市内であった。設備工事業のKOEI(山形市)や、同グループで検査ロボットを開発した弘栄ドリームワークス(同)などでつくる一般社団法人が主催した。年齢制限なし・改造自由の部のトーナメント戦には小学生から大人まで24人が参加。中学2年生の渡邊幸成さんが優勝した。

この「パイプロボコン全国大会」はパイプロボット普及協会(山形市)が手がけている。4回目にあたる今回は23〜24日に開いた。芋虫のような動きができるメカモグラを無線で操り、透明・不透明のパイプを組んだコースを相手より速く走らせられるかを競った。親子や高校生チームの参加も目立った。

年齢無制限・改造自由の部のトーナメント戦で優勝した渡邊幸成さん㊧とパイプロボット普及協会の船橋代表理事(24日、山形市)

メカモグラは完成品(1万9800円)と、自分で組み立てや改造ができるキット(9900、1万5400円)をそろえている。繰り返し操縦すれば、物事に優先順位をつけて考える「プログラム的思考能力」を養える。

パイプロボコンは設備工事を含む建設業を若い世代に少しでも身近に感じてもらおうと開いている。将来の人材確保や、配管調査へのニーズ開拓につなげることが視野にある。

協会の船橋吾一代表理事(KOEI社長、弘栄DW会長)は「800人超が地区予選に参加する大会に成長した。この輪をもっと大きくしていきたい」と参加者に謝意を表した。大都市の主要駅やテーマパークなど人が集まる場所での体験イベントも今後開くなどで、さらなる認知向上に努める意向だ。

メカモグラの基となった「配管くん」の最新型。弘栄DWは配管調査市場の創造に取り組んでいる(2024年8月、山形市)

メカモグラの基となった弘栄DWの「配管くん」はカメラやセンサーを備え、配管内を自走して老朽・損傷箇所を特定する。噴射水圧を利用するものなどを含めて3タイプをそろえており、約40のパートナー企業と配管調査市場の創造に取り組んでいる。

弘栄DWの2026年3月期の売上高は前期比36%増の9億円を見込んでいる。初年度の20年3月期は約40万円だった。事業は着実に成長軌道を描きつつある。

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