
世界の主要航空会社でつくる国際航空運送協会(IATA)は9日、2026年の世界の旅客数が52億200万人に達するとの見通しを発表した。25年予想の49億8200万人より4%増える。世界旅客数が50億人の大台を超えるは初めて。世界経済の先行きは保護主義の高まりなどで不透明だが、アジアや南米などの成長が航空需要をけん引する。
26年の世界の航空産業全体の売上高は1兆530億ドル(約163兆円)と前年比5%増える。純利益も410億ドルと4%増える見通し。
ただ地域別の需要差は大きい。26年の輸送需要を示す有償旅客キロ(RPK)はアジア・太平洋は前年比7.3%増え、南米は6.6%、アフリカも6.0%それぞれ伸びる。一方でトランプ米政権の関税政策の影響を受ける北米は同1.5%増にとどまる。
IATAのウィリー・ウォルシュ事務総長は「航空会社が26年に生み出す純利益の水準は地政学的な紛争や世界貿易の低迷、規制の強化などの逆風を考えれば、非常に歓迎すべきだ」とコメントした。
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