
森ビルは11日、東京23区に本社がある企業を対象としたオフィスのニーズに関する調査結果を公表した。新たに借りる予定の企業の6割が「面積を拡大する」と回答した。出社回帰の動きを受けて、新型コロナウイルス禍前の2019年(65%)以来の水準となった。物価高で賃料増額を許容する企業も9割を超えた。
「新規賃借の予定がある」と答えた企業は27%と前年より2ポイント増えた。うち面積を「拡大する」と答えたのは60%となった。新たに借りる理由を直近3年の平均回答値でみると「立地の良いビルに移りたい」(33%)が最も多かった。

25年は従業員数300人以上の企業で「1フロア面積が大きなビルに移りたい」(38%)や「イノベーティブなオフィス環境づくり」(33%)が目立った。希望エリアは直近3年の平均回答値で日本橋(18%)、丸の内(17%)、大手町(16%)と大規模再開発が進み、新築オフィスビルの供給が見込めるエリアが人気を集めている。
森ビルオフィス事業部営業推進部の平野文尉部長は「従業員がコミュニケーションしやすい環境や人材獲得に優位なオフィスがより求められている」と話した。
過去1年間で賃料改定が「あった」(20%)や「現在交渉中」(7%)と答えた企業のうち、「増額」と答えた企業が89%と前年より16ポイント増えた。入居中のオフィスが今後1年以内に賃料を引き上げる場合に許容できる範囲として「10%以上」が28%、「5〜9%」が38%を占めた。建物の管理コストや物価上昇分を反映した賃料の引き上げに対する理解が広がっている。
調査は9月に森ビルのテナントを除く1万253社を対象に実施し、1749社から回答を得た。
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