物価高がクリスマスを直撃している。調査会社インテージが実施したクリスマスに関する調査では、クリスマスにかける予算は前年比0・5%増の平均1万6418円で、大幅に減少した前年とほぼ同水準だった。同社は「物価高騰を踏まえると実質的な支出は抑制傾向にある」としている。
調査は11月19~25日、全国の15~79歳の男女5000人を対象にインターネットで実施した。
贈り物やパーティー、外出などのイベントについて「予定はない」との回答が54・1%で前年から3・0ポイント伸び、過去最高水準になった。その他は、プレゼントを購入(自分用を含む)26・0%▽自宅でパーティー24・2%▽イルミネーションなどを見に行く7・7%▽レストランなど飲食店での食事やパーティー6・0%――などだった。
予定がない理由は、「興味がない・習慣がない」が31・1%と最多で、「お金をかけたくない・節約したい」が16・2%で続いた。
予定がある人でも、プレゼント購入や自宅パーティーは近年減少が続いている。インテージは「節約志向に加え、コロナ禍後の外出回復が一巡し、特別なイベントより日常の安定を重視する動きが強まっている可能性がある」と分析している。
一方、帝国データバンクが全国の大手コンビニや百貨店、スーパー、洋菓子店などで前年と価格を比較できる100社・ブランドのオリジナルケーキを対象に調査したところ、今年の平均価格は税抜き4740円で、前年比179円(3・9%)値上がりした。
定番のイチゴは猛暑で生育が不安定になったほか、スポンジなどに欠かせない鶏卵は生産コスト増に加えて鳥インフルエンザの感染拡大による供給懸念、カカオは西アフリカの異常気象の影響をそれぞれ受け、同社は「主要な原材料が大幅に値上がりした影響を強く受けた」としている。
包装資材や配送費用の上昇もあり、値上がり幅は昨年の149円(3・4%)から拡大。本格的な値上げラッシュが始まる前の2021年比では900円(約20%)に迫る水準となった。
3000~4000円台前半の価格が多いスーパーなどの量販店では、イチゴの数を減らしたり、チョコレートの使用を避けたりして値上げ幅を最小限に抑える動きも目立っているという。
また、リクルートが高校生の子供を持つ全国の保護者に実施したアンケート(有効回答412人)では、物価高を背景に家族でのクリスマスの簡素化を検討したことがあるとの回答が41・7%に上った。外食から家食への変更のほか、誕生日や正月との一本化などが候補になったという。
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