
三菱ケミカルグループは15日、日米で炭素繊維の生産能力を増強すると発表した。高性能な炭素繊維「レギュラートウ」のなかでも、高級スポーツカーやロードバイクなど向けの高機能な品種の生産能力を2倍にする。能力や投資額の規模は非開示とした。2027年にかけて段階的に増強し、需要に対応する。
炭素繊維は航空機などに使われる高機能なレギュラートウと、風力発電の翼などに使われる比較的汎用な「ラージトウ」の2つに大きく分かれる。レギュラートウの中でも弾性や耐熱性が高い高性能な品種を東海事業所愛知地区(愛知県豊橋市)、米カリフォルニア州サクラメントの工場で増強する。新規設備の導入ではなく既存設備の改造などで生産能力を高める。
三菱ケミカルGはレギュラートウ、ラージトウともに手がけているが、ラージトウを中心に中国勢が台頭し競争は激しくなっている。構造改革を進めており、25年には広島県大竹市の工場でラージトウの生産ライン1本を停止した。レギュラートウでも米ワイオミング州での生産を止め、サクラメントの工場でも一部設備を止めている。
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