
ローソンは16日、KDDIと組んだ最新技術の実験店を大阪市内に開いた。レジを通さず、スマートフォンだけで支払いが完結する仕組みを取り入れ、店内の混雑を緩和する。人工知能(AI)による売り場の改善提案や飲料の自動陳列ロボットも導入する。技術の実用性を検証して他店への展開を目指す。
KDDIのオフィスが入る「KDDI大阪第2ビル」(大阪市)の社員専用フロアに開店した。「リアル×テック ローソン」と銘打ち、KDDIの最新技術を詰め込んだ。
ローソンの専用アプリに「スマホレジ」の機能を搭載し、手に取った商品をその場でスマホから購入できるようにした。レジを利用する必要をなくし、店舗の滞在時間を平均2分半に抑える。混雑時の時短ニーズに応える。アプリに集まった購買データを分析し、来店客ごとに好みに沿った商品を提案するなど販促の効率化も目指す。

店内の防犯カメラの映像から、AIが欠品の出やすいタイミングなどを分析する。売り場の改善策にいかす。飲料陳列ロボットを導入して店舗運営を省人化する。店外には通信や服薬指導のオンライン接客を受けられる専用ブースも設ける。
両社は6月にも同様の実験店を東京都内に開き、人気総菜「からあげクン」の自動調理ロボットなどを導入した。それぞれの技術の実用性を検証し、効果が見込めるものは既存店にも順次取り入れる。
KDDIはローソンに50%出資している。ローソンとの連携を深め、小売りの現場をデジタル技術で効率化する「リテールテック」の外販や海外展開も視野に入れている。
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