
SCREENホールディングス(HD)は16日、米ニューヨーク州に海外初となる研究拠点を設けると発表した。投資額は約120億円。2026年度に稼働予定で、主力の半導体洗浄装置のほか、先端製造装置を開発する。施設に入居する協業先の米アプライドマテリアルズなどと共同開発を加速させる。
研究組織の米ニューヨーク・クリエイツがニューヨーク州東部のオールバニで運営する先端半導体の研究センターに入居する。SCREENHDの入居部分は建設中だ。クリーンルームに最先端の洗浄装置などを設置する。オフィス部分を合わせて広さ1391平方メートルのスペースを借りて、35人の研究員を常駐させる。
同センターにはアプライドマテリアルズや米IBMのほか、東京エレクトロンなどの日本企業も入居している。SCREENHDは強みを持つ洗浄分野だけでなく、複数のチップを貼り合わせて1つのチップのように動かす「先端パッケージング」の開発を進める。

これまで滋賀県彦根市の主力工場や京都市の研究所で、製品開発や基礎研究を進めてきた。同日の記者会見で後藤正人社長は「新拠点を活用して洗浄分野だけでなく製造プロセス全般のソリューションを提供していきたい」と語った。
記者会見にはニューヨーク・クリエイツのデビッド・アンダーソン社長も出席し、「米中対立が深まるなかでSCREENHDをパートナーに迎えられたのは非常によいタイミングだ」と述べた。
SCREENHDは近年、海外企業との共同研究を進めている。20年にはアプライドマテリアルズの研究施設にSCREENの洗浄装置を導入して共同開発を始めたほか、25年9月からはIBMと極端紫外線(EUV)を使って製造する次世代半導体の洗浄技術を研究している。
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