排ガスを出す自動車=16日、ドイツ・ベルリン(ロイター=共同)

 欧州連合(EU)欧州委員会は16日、エンジン車の新車販売を2035年から原則禁止する政策を撤回する方針を発表した。走行中の二酸化炭素(CO2)排出量を新車全体で21年と比べて平均90%削減するよう各自動車メーカーに要求。達成を条件に35年以降もハイブリッド車(HV)を含めエンジンを搭載する車の販売を認める。

 欧州市場では電気自動車(EV)の普及ペースの遅れに加え、中国勢がEVで攻勢をかける。EUは気候変動対策で先駆的な存在だが、環境規制を大幅に緩和し、エンジン車やHVの販売比率が高い欧州自動車産業を保護する。HVに強みを持つトヨタ自動車などの日系メーカーの販売にも追い風となりそうだ。

EU欧州委員会の本部ビル=15日、ブリュッセル(ロイター=共同)

 規制緩和は自動車大国のドイツなどが求めていた。一方、フランスやスペインなどは電動化への投資が遅れると反対してきた。最終決定には加盟国や欧州議会の承認が必要で、今後の調整には曲折も予想される。

 ただ新たな目標の達成にも、EVなどの販売比率を高める必要があるとみられる。(共同)

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