同志社女子大生の手で3種類のデザインが用意された「玉露かりんとう」=京都府の京田辺市役所で2025年12月16日午前11時49分、鈴木健太郎撮影

 長崎ちゃんぽんの店を全国展開する「リンガーハット」の京都工場(京都府京田辺市大住門田、柴田一史工場長)が、製造工程で発生するギョーザの皮の余り部分と、地元特産の玉露を材料に新商品「玉露かりんとう」を開発した。包装は地元企業が製作、デザインも市内の大学生が担当する“オール京田辺”で完成し、地元の魅力発信とフードロス対策を兼ねた商品。同市のふるさと納税返礼品のラインアップにも加わる予定だ。

 店舗向け食材のカット野菜・肉、ギョーザなどを生産する同工場ではSDGs事業の一環として、副産物の残皮を使ったかりんとう(プレーン味)を生産・販売していた。

 その中で柴田工場長が、市内の茶製造販売「舞妓の茶本舗」(田宮正康社長)に「茶葉のロスを使えないか」と打診した。しかし、茶殻も脱臭剤や肥料になるお茶は“捨てるところなし”の食品。そこで、玉露など「オール京田辺の新名物」の開発へと方針を転換。同本舗が菓子用に作っている玉露パウダーを味付けに使い、包装紙は市内の「佐野紙工芸」「トービ京都工場」に製作・印刷を依頼した。

同志社女子大の学生が協力

 デザインは同志社女子大の地域振興学生団体「まちづくり委員会」のメンバーが担当。3種類を設定し。市ゆかりの「一休さん」、伝統芸能「大住隼人舞」、そしてオリジナルの「ギョーザの皮の妖精」の絵を付けた。こうした連携は、市産業振興課が仲立ちし、産官学連携の商品として誕生した。

完成した「玉露かりんとう」をPRする柴田一史工場長(右から2人目)と上村崇市長(同3人目)、同志社女子大の学生=京都府の京田辺市役所で2025年12月16日午前11時41分、鈴木健太郎撮影

 16日には柴田工場長や各業者の代表、まちづくり委員会の中野詩子さん(20)、田中真尋さん(20)=共に2年=が市役所を訪れ、上村崇市長に報告し一緒に試食した。上村市長は「抹茶菓子とはまた違う、玉露の産地・京田辺ならではの商品。わがまちをさらにPRできる」と喜んだ。柴田工場長は「試行錯誤の末、皆さんのご協力でできあがった。京田辺を盛り上げる一品にしたい」と話した。

 60グラム入り、税抜き400円の価格で、同工場の直売所で販売する予定。【鈴木健太郎】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。