楽天グループは18日、日本語に特化した新しい大規模言語モデル(LLM)を開発したと発表した。LLMは生成AI(人工知能)の基盤技術となる。性能の指標とされるパラメーターの数が7000億と現時点で国内最大規模になったとしている。電子商取引(EC)サイトなど楽天Gの各種サービスへの導入を検討する。利用者の嗜好などの情報を蓄積してサービスを向上する。

このほど開発した「Rakuten AI 3.0」はパラメーター7000億のうち、処理する情報に応じて400億を稼働させる。必要な知識に限定して呼び出すことで効率性を高めた。試験的に楽天Gのサービスに取り入れたところ、他社製の同規模モデルを使うよりも電力消費量を最大90%削減できたとしている。2026年春をめどに外部に提供する計画だ。

従来はパラメーター数が15億パラメーターの小規模なモデルや、70億パラメーターのモデル8つを組み合わせたLLMを開発していた。経済産業省の支援を受け、8月から大規模なモデルの開発を進めた。

日本企業は日本語に特化した国産LLMの開発に注力している。ソフトバンクはパラメーター数が4600億の研究開発向けモデルを24年に完成させており、25年度以降はさらに高性能なモデルを開発する計画だ。

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BUSINESS DAILY by NIKKEI

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