「セミコン・ジャパン2025」で講演するJASMの堀田祐一社長(19日午前、東京都江東区)

台湾積体電路製造(TSMC)の運営子会社、JASM(熊本県菊陽町)の堀田祐一社長は19日、建設中の第2工場(同町)について「建設は継続的に進行している。建設作業の詳細や進捗をパートナーと協議していく」と語った。第2工場では人工知能(AI)半導体用の先端品に生産品目を切り替えることを検討しているとみられる。

東京ビッグサイト(東京・江東)で開催中の半導体の国際展示会「セミコン・ジャパン2025」で講演した。第2工場は建設工事が停滞している。TSMCが従来の6ナノ(ナノは10億分の1)メートル品から先端の4ナノ品への切り替えを検討していることが背景にある。計画通り2027年の量産開始ができるか懸念する声も出ている。

クレーンや杭打ち機が姿を消した台湾積体電路製造(TSMC)熊本第2工場の建設予定地(9日、熊本県菊陽町)

24年12月に量産開始した第1工場については「(製造の)サイクルタイムは台湾の姉妹工場に負けないレベルで操業している」と述べた。従業員数は25年4月時点で2400人で、第2工場の操業後は3400人以上に膨らむ見通しという。

JASMは30年までに半導体素材の国内調達比率を60%に高める目標を掲げる。25年は46%で、26年には50%を超える。堀田氏は「現地調達を強化し、日本のパートナーと高度な半導体エコシステムを構築する」と語った。

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BUSINESS DAILY by NIKKEI

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