人事異動の多い4月を控え、通勤する会社員ら=大阪市北区で2024年3月29日午前8時15分、山崎一輝撮影

 2026年度与党税制改正大綱が19日、決定した。暮らしに身近な税制はどう変わるのか。

 政府・与党は物価高対策として、マイカー通勤者が企業から受け取っている手当への非課税措置に、2026年度からは駐車場代も月5000円を上限に対象に加える。

 さらに、長距離通勤者の負担軽減のため、片道55キロ以上の通勤者への手当の非課税限度額3万8700円について、片道65キロ以上から距離に応じて段階的に限度額を引き上げる。最長の区分となる片道95キロ以上だと、6万6400円までが非課税となる。

 いずれもマイカー通勤者への恩恵は広がるが、政府が目指す「脱炭素」には逆行しかねない。

40年ぶりの引き上げも

 また、企業が従業員に対して支給する社員食堂などの食事補助への非課税限度額は、現行の月3500円を7500円まで引き上げる。

 限度額は約40年据え置かれたままだったが、食料品の物価高騰を背景に大幅な拡大となった。

 定期昇給や基本給を一律に底上げするベースアップではなく、社食費用の補助などで従業員の実質的な手取りを増やす「第3の賃上げ」の取り組みが進んでおり、企業の福利厚生拡充を後押しする。【高田奈実】

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