
ローソンは26日、災害時に店内の厨房でおにぎりを握る訓練を報道陣に公開した。物流の寸断や工場の被災で店舗に食品を届けられなくなった場合、店に余っているコメを使って提供する。地震や浸水で散らかった状態の家でも箸を使わずに片手で食べられる手軽さを打ち出し、有事の際のコンビニエンスストアの利便性を高める。
厨房を備えた全国の約9600店で、2025年度中に体制を整える。同社は店内調理サービス「まちかど厨房」を手がけている。日ごろ各店で使う弁当用のコメを活用し、災害時におにぎりを販売する。価格は1個200円(180グラム)で、通常品の2倍弱の大きさとする。塩やノリ、具材は使わず、食品用ラップフィルムに包んで握る。

災害時には店舗の水道が止まる場合もある。店で売っている飲料水を使ってコメを炊く手段も考えられるが、有事の際は水そのものの引き合いも強まる。ローソンの担当者は「水道水が使えなくなった際の対応はこれから詰める」としている。
コンビニ各社ではパックご飯も販売しているが、災害時は停電で電子レンジを使えなかったり、散らかった机の上で食べにくかったりする。おにぎりであれば割り箸や容器のゴミが出ず、片手で手軽に食べられることから需要が高いとみている。
消費と補充を繰り返して常に一定量を備蓄する「ローリングストック」も促す。レトルト食品や缶詰、菓子類などローリングストックに適したローソンのプライベートブランド(PB)商品を抜粋し、9月ごろから同社の公式サイトで紹介する。

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