JALとANAの旅客機

日経電子版で産業史の新たな断面を読み解く新しい連載「産業史秘録」を始めました。歴史的な産業事件や勝負の分かれ目となった出来事を振り返り、今につながる教訓や視点を考察します。第1弾は1985年に始まった航空の自由化を取り上げました。「航空自由化、流転の40年 あの時」は連載の本編で描ききれなかった「あの日、あの時」の出来事の舞台裏のエピソードをふんだんに盛り込んだサイドストーリーです。あの時、何が起きていたのでしょうか。連載企画をまとめました。

(1)ANA、背水のコードシェア戦略 羽田枠獲得へ不振の中堅相次ぎ傘下


航空自由化からこの12月で40年がたちました。路線や運賃などを各航空会社が決めることができるようになりましたが、当初は羽田・成田空港ともに満杯の状態で各社とも身動きができませんでした。しかし、2001年11月に日本航空(JAL)と日本エアシステム(JAS)の統合発表で本格的な自由化の幕が切って落とされます。その舞台裏をまとめました。…記事を読む

(2)羽田国際化の前哨戦 ANAとJAL共闘、同床異夢の「Dの意志」


全日本空輸(ANA)は政治の力を使いながら、悲願であった羽田空港から韓国や中国などへの国際線を開設することに成功しました。実現にはすでに満杯だった羽田空港に4本目となる新たな滑走路、通称「D」の建設が必要でした。ANAはD滑走路建設に別の意志で動くJALとも共闘し、実現にむけ奔走することになります。…記事を読む

(3)JALの法的整理、「政治」「行政」排除を貫いた弁護士の苦闘


2001年に日本航空(JAL)は日本エアシステム(JAS)と経営統合を発表しましたが、改革は進まず、10年には経営が行き詰まります。日本を代表するエアラインの破綻回避に政官ともに奔走しますが、最終的には法的整理をたどることになりました。法的整理か私的整理か、再建を巡る手法には様々な思惑が入り乱れ、一筋縄にはいきませんでした。…記事を読む

(4)政争の具となった新生JAL、稲盛氏の恨み節に 「公正な競争」を問う


会社更生法の適用を受け日本航空(JAL)の業績は回復しました。しかし、全日本空輸(ANA)は公的支援も受けて再生したJALに対し「公平公正な競争」を訴えます。公的支援を受けて復活した企業と競争政策との整合性をどうとるか、今なお明確な答えが見つかっていない問題です。…記事を読む

(5)ニッポンの空を支配した羽田発着枠の呪縛 解き放て自由の翼


航空自由化に対して「空」を閉ざした結果、訪日客が増えたのにもかかわらず、成田空港の国際線、利用者は韓国・仁川空港の半分と差をつけられました。国内線は燃料費や機材などの高騰もあり、ほぼ全社が実質赤字です。日本の空のインフラをどう持続的に発展させていくのか。官民ともに動き始めました。…記事を読む

【産業史秘録 航空自由化、流転の40年】

  • ①航空自由化、流転の40年 JAL・JAS統合でしぼんだ改革
  • ②ANAが崩した「羽田の壁」 国際化問題、突破口は韓国便
  • ③デルタ航空に差し出されたJAL、倒産危機に官民翻弄 覚悟なき自由化
  • ④新生JALにおびえたANA 幻の買収提案、KKRが進言
  • ⑤スカイマーク争奪戦の余波 反撃のデルタ・大韓航空、かすむ日本の空
BUSINESS DAILY by NIKKEI

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