新潟県議会は22日、東京電力柏崎刈羽原発の再稼働を前提とした2025年度一般会計補正予算案を、花角英世知事への「信任」を示す付帯決議案とともに、自民、公明両党などの賛成多数で可決した。花角氏は23日に上京して赤沢亮正経済産業相らと面会し、再稼働への同意を正式に伝える。東電ホールディングス(HD)は来年1月20日ごろを軸に6号機を再稼働する方針。
補正予算は、県が9月に実施した県民意識調査(対象1万2000人)で原発の安全・防災対策への認知度が高い人ほど再稼働に肯定的な傾向であったことを根拠に、柏崎刈羽原発の安全対策などを県民に周知するための広報費3142万円を盛り込んだ。財源は、再稼働した場合に支給される国からの交付金を充てる。花角氏は県議会で、周知を強化すれば「再稼働への理解が広がる」と説明していた。
付帯決議は、再稼働の容認を表明するまでの経緯に「深く敬意を表する」とし、花角氏の知事職継続を「是」とした内容。花角氏が自身への信任・不信任の判断を、県民ではなく、県議会に求めたため、過半数を占める知事与党会派の自民が公明と共同提出した。
22日の本会議では討論も行われ、国政野党系の第2会派「未来にいがた」と第3会派「リベラル新潟」が反対を表明。続く採決では自公に加えて、連合傘下の産業別労働組合「電力総連」に近い会派「真政にいがた」も両案に賛成した。
花角氏は国が避難路整備や東電HDの信頼回復、原発の安全性向上など7項目の対応を確約することを条件に再稼働を容認するとし、県議会では7項目に国が対応をしなければ「私の判断は当然変わる」と明言。7項目に対する国の履行状況については「文書で共有するよう求めたい」と言及した。23日の赤沢経産相との面会では、花角氏が7項目への対応を求め、これに赤沢氏は応じるとみられる。【木下訓明】
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