厚生労働省は2026年度の税制改正を巡り、人口に見合った医師数を確保できない地域で開業する医師への税優遇策を要望する。診療所の開設と事業承継に伴う不動産関連の税負担を軽くする。地域医療の維持につなげる。
自民党の部会に26日提示した。26年度予算の一般会計は要求段階で過去最大となる34兆7929億円を計上した。25年度当初予算と比べて4865億円多い。ハローワークにおける就労促進の専門窓口設置やリスキリング(学び直し)推進など就職氷河期世代の支援策として計1490億円を盛り込んだ。
医療や介護の現場は物価高や賃上げが経営を圧迫し、改善が急がれる。賃上げの原資の確保や経営安定への対応は要求段階で金額を示さない「事項要求」とした。年末に控える2年に一度の診療報酬改定などとあわせて予算編成過程で検討する。
診療所に関する税制改正では参入に関わる登録免許税、不動産取得税、一定期間の固定資産税、都市計画税の軽減を求める。都道府県が設定する「重点医師偏在対策支援区域」で開業か事業承継するケースを対象とする。
厚労省は24年末にまとめた医師偏在の是正策で、重点区域を「今後も定住人口が見込まれるものの、必要な医師が確保できない地域」と定義した。診療報酬での対応なども含め、26年度予算の編成過程で経済的なインセンティブを検討するとしていた。

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