
日東電工は23日、スマートフォンのバッテリーなどを固定するための「電気剝離テープ」を増産すると発表した。愛知県豊橋市の事業所に390億円を投じて新工場棟を建設する。2028年度に稼働する見通し。電気剝離テープは電気を流すと粘着力を失い修理の際などにバッテリーを簡単に取り外せる。欧米を中心に電子機器などを修理する権利の動きが広がっており、今後需要が増加すると見込まれている。
産業用テープなどを生産する豊橋市の事業所の敷地内に6階建ての新工場棟を建設する。延べ床面積は事務所なども含めて約2万4千平方メートル。電気剝離テープの生産は29年に25年に比べ5割増える。新工場棟では折り畳みできるフォルダブルスマホで使われる光学用透明粘着シート(OCA)も生産し、3割増産となる。

電気剝離テープはバッテリーなど電子機器の部品を固定するために使う両面テープ。テープに微弱な電気を通すと粘着力を失うため、修理の際に簡単に筐体(きょうたい)からバッテリーを取り外せる利点がある。
欧米ではリサイクルの促進などを目的に消費者が電子機器を修理しやすくする権利を保障する動きが広がっている。欧州連合(EU)では27年以降、携帯用バッテリーを組み込んだ製品は原則、消費者がいつでも容易に取り外しや交換ができるようにしなければならない。
スマホメーカーなどが対応を進めており、テープの需要が急拡大するとみている。日東電工は同製品の売上高を28年度までに2倍超にする計画を掲げている。既に大手スマホメーカーに供給しており、今後は他社への供給も探る。タブレットやイヤホンなど他の製品への展開も視野に入れている。
OCAの売上高は今後5年で倍増させる。フォルダブルスマホは消費電力の節約のためにディスプレーに日東電工の主力製品である偏光板を使わないケースが多い。OCAは偏光板が持つ反射防止や耐衝撃性の機能を付与し、偏光板がなくても明るさを失わずに鮮明な画像を実現できる。主力の偏光板の需要が見込めない領域でも、他製品の高付加価値化や搭載点数の増加により売り上げを伸ばす。
新工場棟では部材の運搬に自律走行搬送ロボット(AMR)や人工知能(AI)を活用する予定で、生産性を高め品質管理もしやすくする。
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