
宮城県女川町議会は25日、東北電力の女川原子力発電所(同県女川町、石巻市)内に保管されている使用済み核燃料に課税する条例案を賛成多数で可決した。東北電も条例案の受け入れを表明した。町は総務相の同意を得て2026年度の施行をめざす。
新税は使用済みとなって5年が経過した核燃料物質に1キロあたり620円を課税する。年間約2億9000万円の税収を見込み、税収は防災対策や災害時の避難道路の整備などに充てる。女川原発1〜3号機に保管されている使用済み燃料は12月時点で計2862体(約490トン)で、新税の導入で原発外への早期搬出を促す狙いがある。
須田善明町長は議会後に記者団に対し「総務相との協議など残りの手続きをしっかり進め、26年度前半には課税を開始したい。課税して終わりではなくどう生かすかが重要になる」と話した。
東北電の石山一弘社長は24日に女川町議会へ提出した意見書で条例案の受け入れを表明した。同社によると10月14日に女川町から新税に関する協議の申し入れがあり、複数回にわたり税の目的や税率の考え方などについて協議していた。
女川原発の使用済み燃料は青森県で建設中の再処理工場に搬出する計画。ただ一時保管する燃料プールが満杯に近づいていることから、東北電は発電所内に新たに「乾式貯蔵施設」の建設を計画。24年に事前協議を申し入れられた女川町と石巻市は保管の長期化を懸念し、新税導入を検討する意向を表明した経緯がある。
使用済み燃料への課税を巡っては、東北地方では青森県むつ市が中間貯蔵施設に搬入される使用済み燃料に課税する条例を24年9月に施行している。

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