養命酒製造は30日、非公開化に向けた入札で米投資ファンドKKRに優先交渉権を付与したと発表した。一部報道では2026年1月にもKKRがTOB(株式公開買い付け)を実施するとされていた。アクティビスト(物言う株主)として知られる村上世彰氏の親族である野村幸弘氏が養命酒の事実上の筆頭株主とされ、同氏が応じなければTOBは成立しないとみられる。
養命酒を巡っては大株主だった大正製薬ホールディングスが3月、保有する全株式(議決権ベースで約24%)を投資会社の湯沢(東京・渋谷)に売却した。湯沢には野村氏が養命酒株の取得時に資金提供していた。
養命酒の業績は低調が続く。主力の「薬用養命酒」の販売減少に加え先行投資が重なり、25年3月期の営業利益は前の期比で7割減少した。8月には大手証券会社をアドバイザーに起用し、非公開化の検討に入ったことが明らかになっていた。
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