
インドを最大の市場とするスズキは、2025年からインドでのEVの生産に乗り出していて、26日、西部グジャラート州の工場で、SUV=多目的スポーツ車のEVの出荷を始めました。

出荷を記念する式典には、まもなく日本を訪問する予定のモディ首相も駆けつけ「きょうからインドで製造されたEVが世界100か国に輸出されることになる」と述べたうえでインドと日本との経済的なつながりを強くアピールしていました。

この工場で生産するEVは1度の充電で500キロ以上の走行が可能だということで、多くの地元メディアも取材に集まっていました。

スズキはインドでの事業に今後5、6年で7000億ルピー、日本円で1兆1800億円以上を投資する方針で、鈴木俊宏社長は「引き続きインドでトップシェアを目指し、インドの自動車市場をリードしていく役割をしっかりと果たしていきたい」と話していました。
世界第3位の自動車市場となったインドをめぐっては、シェア拡大を図ろうとメーカー各社が相次いでインドで販売するEVの最新モデルを発表するなど競争が激しさを増しています。
各国メーカー EV需要拡大を見込み投資加速

インドでは政府がEVの普及を進める計画を打ち出す中、各国のメーカーが需要の拡大を見込んで投資を加速させています。
インドで昨年度に販売された乗用車のEVの台数は10万台あまりで、前の年度よりも18%増えました。
インド政府は脱炭素化や深刻な大気汚染への対策として、国内で販売される乗用車のうちEVの占める割合を現在のおよそ2%から2030年までに30%に引き上げる計画を打ち出しています。
日本の自動車メーカーは今後の需要拡大を見込んで、スズキのほかにもトヨタ自動車が2026年の完成を目指してインド南部に3つ目となる工場の建設を進めるなど、投資を加速させています。
また、日本のメーカー以外にも、韓国のヒョンデ自動車がインド国内でEVの生産を拡大させる方針を示しているほか、アメリカのテスラは7月、インド最大の商業都市ムンバイ中心部に初めてとなるショールームを開設して販売を強化しています。
一方、中国との間では国境地帯の係争地をめぐって緊張が続き、インド政府が中国からの投資を事実上、制限する対応をとっていることから、中国メーカーの存在感は限定的となっています。
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