
【ヒューストン=大平祐嗣】カナダ航空最大手のエア・カナダは14日から一部フライトを欠航させる。客室乗務員1万人が所属するカナダ公共労働組合が給与や雇用契約が不満として、16日から3日間の予定でストライキを決行する。16日には全てのフライトを停止する予定。全面停止になれば1日あたり13万人規模の乗客に影響する。
ストライキ実施の72時間前となった13日、組合が会社に通告した。16日からエア・カナダと、傘下の格安航空会社(LCC)のエア・カナダ・ルージュのフライトが全て運休となる見通しだ。欠航便の運賃は全額を乗客に払い戻す。
カナダ公共放送のCBCによると、14日は数十便、15日は約500便が欠航となる見通し。
マイケル・ルソー最高経営責任者(CEO)は「今回の混乱がお客様やステークホルダーに与える影響を深くおわびする」などとコメントした。エア・カナダは日本を含む65カ国に就航している。運休する2つの航空会社は毎日13万人の乗客が利用する。
組合は給与の契約改善を求めている。組合によると、客室乗務員の地上での安全業務などが無給状態で、会社側が示した賃上げ率は物価上昇率(インフレ率)を下回っていると主張した。エア・カナダは近年は数十億ドルの利益を計上しており、契約を改善させる余裕があるとも指摘した。
会社側は4年間で総報酬の38%の引き上げを提案しており、膠着状態を打開するために第三者による仲裁を求めていた。会社側はなお政府による仲裁を求めている。
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