横浜市立大学などの研究グループは、放射性医薬品の局所投与が悪性脳腫瘍に対して有効であることをマウスを使った実験で確認した。がん細胞のDNAを効果的に攻撃することができたという。今後、大型動物などを使って安全性や有効性を確かめ、早期の臨床応用を目指す。

腫瘍組織に薬剤が集まっているのを画像で確認できた=横浜市立大学提供

膠芽腫(グリオブラストーマ)などの悪性脳腫瘍の治療には、一般的にがん細胞の切除手術や抗がん剤がある。しかし、脳には重要な機能を持つ部分が多く、がん細胞が周囲に広がっている場合は完全に取り切ることが困難なこともある。また脳内には薬物が届きにくいという問題もあり、脳腫瘍の治療は難しいとされる。

横浜市立大学の立石健祐准教授らの研究グループは低酸素状態の細胞に特異的に集積する性質を持つ銅を活用した医薬品で、グリオブラストーマといった悪性脳腫瘍の治療効果を探った。今回、銅の放射性同位体と結合した薬剤をヒトの悪性脳腫瘍を移植したマウスに局所投与した。薬剤が酸素が少ない腫瘍周辺に集まっていることや、放射線によって腫瘍のDNAが壊れ、細胞死が起きていることを確かめた。

今後は実際の治療を想定し、さらに安全性や有効性の検証を進める。また局所投与を行うためには手術が必要になるため、現在の手術や放射線治療などと組み合わせた治療の開発を目指す。

研究成果は欧州放射線腫瘍学会誌の「ラジオセラピー・アンド・オンコロジー(ザ・グリーン・ジャーナル)」に掲載された。

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