2026年最初の記者会見に臨む桜井雅浩・新潟県柏崎市長=同市役所で2026年1月7日、内藤陽撮影

 新潟県柏崎市の桜井雅浩市長は7日、定例記者会見を開いた。浜岡原発(静岡県)の再稼働に向けた原子力規制委員会の審査で、中部電力がデータを不正に操作していた疑いが明らかになった問題について、2002年の東京電力のデータ改ざんを引き合いに「あってはならないことだ。国に守られてきた公営企業のおごりがいまだ抜け切れていないと言わざるを得ない」と、厳しく批判した。

 桜井氏が強く要望してきた東京電力柏崎刈羽原発の再稼働は20日の予定。その矢先に起きた不祥事に深い憂慮を示した。

 中部電は5日、浜岡原発3、4号機の耐震性検証でデータを恣意的に選び、想定される最大の揺れを過小評価した疑いがあると発表した。桜井氏は「今回の事案をデータ改ざんと呼ぶかは別にして、同じ原子力発電にかかわる東京電力には過去の苦い記憶がある」と、02年8月に発覚した東電のデータ改ざんによるトラブル隠しに言及した。この問題を契機に柏崎刈羽原発のプルサーマル発電を巡る議論が立ち消えとなった経緯がある。

 桜井氏は「同じ電力業界として(中部電力も教訓を)共有していたはずではなかったか。(データ改ざんが)いかに大きな影響を及ぼすかということを実感として捉えていなかったことが私にはショックだ」と述べた。

 「全国原子力発電所所在市町村協議会」(全原協)の副会長を務める桜井氏は、規制委に対し「厳正に対応してほしい」と求めた。他原発にも同様の事案がないか調査を求める考えは否定した。

 柏崎刈羽原発6号機の再稼働を控え、桜井氏は16日に推進・慎重双方の市議会議員全員と一緒に同原発を視察すると明らかにした。市民の代表として東電に思いや考えを伝える狙いという。今年で市長就任10年の桜井氏は「この間いろいろなことがあったが、ようやくここまで来たのかというのが実感」と吐露。中部電の不正やウクライナ戦争を例示し「国内外の原発に関する事案など副次的な要因で、6号機の再稼働に『やっぱり心配だな』という思いが出てこないことを願う。何事もないよう多くの関係者が願ったり、祈ったりしている」と話した。【内藤陽】

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