
【ラスベガス=桜木浩己】鹿島は米ラスベガスで開催中のテクノロジー見本市「CES」で、初めて個人向け製品として開発したスピーカーを公開した。コンサートホール設計に使う音響技術を使い、音が立体的に聞こえるようにした。春にも13万2000円で発売する。
CESの会場に米国時間6日、複数の付き人を従えたサングラスの男性が現れた。鹿島ブースにふらりと立ち寄ったのは米国の人気歌手スティービー・ワンダーさん。スピーカーの前で1分ほどデモ音源を聞いた後、一言つぶやいた。「I like it(気に入った)」
展示しているスピーカー「OPSODIS 1(オプソーディスワン)」は立体的な音響効果を特徴とする。幅38センチメートルのスピーカーから60センチほど離れて正対すると音がくる方向を聞き分けやすく、斜めの方向から聞くと音の立体感は薄くなる。
スピーカーの右側から出る音は右の耳で、左側から出る音は左の耳で明瞭に聞けるような設計にして、音の聞き分けができるようにした。パソコンに接続するスピーカーなど、近距離での使用を想定する。

鹿島が音響施設の建設で培ってきた知見を盛り込んだ。サントリーホール(東京・港)など複数手掛けてきており、建設前に設計上の音響効果を発注者に伝えるための技術を転用した。
ゼネコンが個人向け商品を開発するのは異例だ。鹿島が20年以上前から使ってきた技術を今になって製品化したのも、受注ビジネスを手がける同社が、在庫を抱えてモノを売るビジネスに参入することに迷いがあったからだという。
そのため、まずは日本のクラウドファンディングで需要を見極めた。蓋を開けてみれば約9億2000万円が集まった。同社によると、日本企業による単独の製品開発プロジェクトとして過去最高額となり、一般販売を決めた。
CESに初出展したのは海外での反応を見極めるためだ。今後は米英など4カ国でクラウドファンディングを実施し改めて需要を探る。日本では春にも専用の電子商取引(EC)サイトを立ち上げて販売を始める。一部で始めている技術のライセンス供与も広げる。
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