最新の分析機器を使ってマウスのたんぱく質の量などを解析した=東京都医学総合研究所提供

東京都医学総合研究所などの研究チームは、マウスの脳や臓器のたんぱく質などが24時間でどのように変化するかを高精度に解析することに成功した。ごくわずかな量のたんぱく質を検出できる最新の質量分析装置を使い、時間変動を解析した。生物の体内時計の研究や創薬研究につながることが期待される。成果は米科学誌モレキュラー・セル(電子版)に掲載された。

睡眠やホルモン分泌、代謝といった生物の生理機能は、24時間周期で一定のリズムとなるよう制御されている。遺伝子の発現に関係するメッセンジャーRNA(mRNA)の変動については、多くの臓器で研究されてきたが、実際に生体内で働くたんぱく質の変動と異なる場合があった。生体内のたんぱく質の場所や変化、質量を調べるのは難しく、これまで詳細な解析は難しかった。

都医学総研の吉種光プロジェクトリーダー、乙部優太研究員らは、次世代の質量分析装置を活用し、マウスの脳や肝臓、骨格筋など全身の32カ所で働くたんぱく質などを4時間ごとに解析した。

その結果、約1万9000種類のたんぱく質を特定し、どの組織にどのたんぱく質が存在するか、どの時間帯に活発化するかなどが明らかになった。例えば腸の免疫に関わるたんぱく質は、食事の際に必要なのでマウスの活動時間に働くように変化していたなど、マウスの24時間周期のたんぱく質の変化の様子の「地図」を作成することができたという。

今後、変化の様子をさらに詳しく研究していくことで、1日の中で変動するたんぱく質を標的とする治療薬の開発や最適なタイミングでの投与方法、投与時間の活用にもつながるとみている。

【関連記事】

  • ・繰り返す気分の浮き沈み 双極性障害、生活リズムに着目を
  • ・夜勤時でも「夜は食べない」が健康? 心血管リスク軽減と研究結果
  • ・乳がん、転移しやすいのは明け方 効率的な治療に道

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。