白ワイン用ブドウ「甲州」を選果台で確認する(27日、山梨県甲州市)

メルシャンは27日、2025年産ブドウによる日本ワインの仕込み式をシャトー・メルシャン勝沼ワイナリー(山梨県甲州市)で開いた。これから約2カ月にわたって山梨県や長野県など各産地のブドウを順次収穫し、ワインに醸造していく。今年は前年より約10トン多い約710トンのブドウを仕込む計画という。

27日は神事を行ってから甲府市玉諸地区で栽培された日本固有品種のブドウ「甲州」約3.2トンを破砕機に投入し、果汁を搾り出す作業を始めた。11月3日発売の「日本の新酒 山梨県産甲州2025」に醸造するほか、一部は28年に発売予定の同社最高峰のスパークリングワイン「日本のあわ トラディショナル・メソッド トリロジー2025」の原料になる。

今年は猛暑日が続くが大きな影響はなく、雨が少ないためブドウは順調に生育しているという。シャトー・メルシャンの小林弘憲ゼネラル・マネージャーは「糖度が高く、酸も豊かなブドウができている。このまま健全な状態が維持できれば味わい深いワインが期待できる」と話した。

仕込み開始前に作業の安全と品質の高いワイン造りを祈願した(27日、山梨県甲州市)

シャトー・メルシャンで仕込む25年産ブドウ約710トンのうち、勝沼ワイナリーが600トン、桔梗ケ原ワイナリー(長野県塩尻市)が30トン、椀子ワイナリー(同上田市)が80トンを予定している。全体で約65万本のワインになる見込みだ。

メルシャンはフランス産ワインの新酒「ボージョレ・ヌーボー」の販売から撤退し、25年は日本ワインの新酒を前年の約2倍の3万6000本に増やす計画。山梨県産の「甲州」や「マスカット・べーリーA」が新酒ワインの主な原料になる。

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