
キリンビールは15日、2026年下半期に第三のビール「本麒麟」の麦芽の配合を変えてビールに変更すると発表した。10月に控える酒税改正ではビールは減税する一方、第三は増税し両者の価格差が縮まる。サントリーも主力の「金麦」で同様の取り組みを実施するとすでに発表している。ともに本体価格を第三と同等に据え置き、低価格志向の消費者を取り込む。
ビール類飲料は酒税法により、麦芽使用比率などによってビール、発泡酒、第三に区分されている。第三は麦芽やホップなどを原料にした発泡酒に麦由来の蒸留酒を混ぜたものか、麦芽の代わりに大豆やエンドウ豆を原料として発酵させたものを指す。本麒麟は前者の手法で製造されている。
ビール類の酒税が26年10月に20年から続く3段階の改正の最後を迎える。ビールは350ミリリットルあたり9.1円下がる一方、ビールより単価が安い発泡酒や第三は7.26円上がり、3者の税額は一本化される。
これを受け本麒麟は刷新してビールとして販売する。麦芽使用率を現在の50%未満から50%以上に引き上げるほか、麦由来の蒸留酒の使用も取りやめる。
足元で本麒麟のコンビニエンスストアでの想定販売価格は350ミリリットル缶で198円。キリンは本麒麟を26年酒税改正後の他ブランドの第三と同じ価格帯に据え置く計画で、増税分を単純に足すと205円前後となる。主力の標準価格帯ビール「一番搾り」や「晴れ風」は減税を受け、現在の236円から227円前後に下がる。
本麒麟の25年の販売実績は前の年比12%減の1200万ケース(大瓶換算)だった。国内市場での第三のブランド別では金麦(1%減の2973万ケース)、キリンの「のどごし」(販売実数は非開示)に次ぐ規模とみられる。同日あったキリンの26年事業方針説明会で堀口英樹社長は「ビール製法化でうまさを向上し、ブランド価値を高める」と話した。
サントリーも10月以降に金麦ブランドの主力3商品「金麦」「金麦〈ザ・ラガー〉」「金麦〈糖質75%オフ〉」の製法を変え、ビールとして販売する。将来的には年間3500万ケースの販売を目指す。
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