重油に水素を混ぜて運航できる「天歐」。右の箱形の設備から水素を供給(広島県福山市)

常石グループ(1日付でツネイシホールディングスから社名変更、広島県福山市)の関連会社などと日本財団は水素を燃料に混ぜて使える国内初のタグボートを公開した。温暖化ガスを出さない「ゼロカーボン航行」にも成功したという。今後は洋上での水素供給体制も整え、船舶や港湾の脱炭素化に弾みをつける。

タグボート「天歐(てんおう)」はジャパンハイドロ(福山市)など常石グループ系の企業などでつくる共同企業体が2025年10月に完成させた。ベルギー企業が開発した新型エンジンを搭載し一般的な燃料の重油と水素を混燃できる。化石燃料のみに比べ最大約6割の二酸化炭素(CO2)の削減が見込める。

船上では燃料用に約250キロの高圧水素を貯蔵できる

25年12月には重油に代え植物由来の廃食油などを原料とするバイオ燃料と水素を用いて実質CO2ゼロで、重油のみと同等の航行を実現した。水素と混燃では世界初という。日本財団による水素を燃料とした「ゼロエミッション船」の開発事業の一環で、水素供給設備を含め総工費10億円余りのうち同財団が約8割を助成した。

すでに常石系の港湾設備で活用し始めた。外部の事業者にも提供し信頼性を高める。洋上に浮く水素供給設備も26年度中の完成を目指し、一体運用のモデルを築く。ジャパンハイドロの神原満夫社長は「各コンビナートで副次的に生じる水素の内航への活用は海運や港湾の脱炭素化へ現実的なソリューション」と話す。

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