島根県奥出雲町にはたたら製鉄に由来する棚田の景観が多く残る=同町提供

島根県の奥出雲地域の農林畜産業が、国連食糧農業機関(FAO)の世界農業遺産に認定された。認定は26日付で、中国地方では初めて。丸山達也知事は27日、「世界に誇る奥出雲の農業システムを国内外に発信でき、農産物のブランド化や観光客誘致を通じた地域経済の活性化が期待される」と述べた。

認定されたのは「たたら製鉄を再適用した奥出雲地域の持続可能な水管理及び農林畜産システム」。

砂鉄を採取するために設けた水路やため池を農業用に転用。たたら製鉄を背景に作られた棚田の景観が今も多く残る。製鉄の運搬に使った和牛の畜産が発展したほか、牛のふんを肥料とし、稲作の生産性も高めた。地元の奥出雲町はブランド米である仁多米の産地だ。

採掘跡の痩せた土地ではソバを栽培するなど、循環型で持続可能な農林畜産業を構築していることなどが評価された。

県や奥出雲町などでつくる「奥出雲町農業遺産推進協議会」が、2021年にFAOに認定申請していた。今回、和歌山県の有田・下津地域も認定を受けており、国内の世界農業遺産は17地域となった。

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