VR上でスプレーガンを操作して塗料を噴射する(那覇市)

那覇空港を拠点に航空機整備を担うANAホールディングス(HD)系のMROジャパン(那覇市)は、塗装訓練用に仮想現実(VR)の機材を導入した。実際の機体を使って練習する機会が少ないことから、自由に利用してもらって早期の技術習得を促す。社内での塗装整備士の養成期間を現在の7年から5年へ短縮できるという。

オランダのAkzoNobel(アクゾ・ノーベル)社が開発したVR訓練機器「Aerofleet Training+(エアロフリートトレーニングプラス)」を導入した。契約金額は非公表。VR映像とスプレーガンを連動させ、塗布する振動も手に加わる。機械を走らせるスピードや重ね塗りの頻度で色の付き方や厚みが変わるなど、再現度の高さが特徴だ。

塗る速度や厚さが適切だったかをシステムが評価する。尾翼やエンジンなど塗る部位を自由に選べるほか、塗料は100種類以上ある。塗る箇所の形状や凹凸、塗料の乾きやすさなど特徴に応じた練習ができる。

塗装機をどのように動かしたか、スピードは適切だったかなどについて確認できる

同社ではこれまで航空機を用いた実務を通じて経験を積んできた。塗装を伴う整備の受注は年に10機ほどと決して多くはなく、塗装整備士の養成期間が長期化する要因だった。アルミ板で基礎練習はできるが、練習の度に塗料をはがすため効率が悪かった。

MROジャパンではこれまで経験頻度を高められないことを理由に、同整備士の養成に7年を要していた。VR機器ならいつでも自由に繰り返し練習でき、訓練頻度を上げることで「最短5年に短縮できる」(同社)という。

練習用の鉄板や塗料を用意する必要が無く、換気の確保といった手間も省ける。新たな塗料の導入を検討する際は、取り寄せる前にVRで塗る感触を試すといった活用も可能だという。

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