使用済み太陽光パネルのリサイクルを巡り、政府が検討している新たな制度案の概要が判明した。メガソーラー(大規模太陽光発電施設)の運営会社など大量の使用済みパネルを出す事業者に、排出実施計画の策定と提出を義務づける方向で調整している。国が定める基準に照らしてリサイクルの取り組みが著しく不十分と判断された場合、国は計画変更などの勧告・命令をできるようにする。
環境省と経済産業省が23日に合同で開く審議会に制度案を示す。了承されれば、衆院選後の国会での法案提出を目指す。事業者に要求されるリサイクルの水準は今後国が定める判断基準次第となる。政府が当初検討していた全面的なリサイクルの義務化は見送る。
新たな制度案では、使用済みパネルを大量に出すメガソーラー発電事業者などに、排出の30日前までに処分方法などを記した計画書の届け出を義務づける。中小の発電事業者にはリサイクルを努力義務とし、国の指導・助言の対象とする。
パネルの製造業者には環境に配慮した製品設計を促す。また、効率的なリサイクル技術を持つリサイクル事業者の認定制度を設け、認定事業者が都道府県ごとに廃棄物処理法の許可を取らなくても全国で事業を展開できるようにする。
政府が2024年にとりまとめた案は、製造業者が使用後の回収・リサイクルまで責任を負う「拡大生産者責任」の原則に基づき、製造業者(海外製造分は輸入販売業者)にリサイクル費用を負担させる内容だった。だが、所有者がリサイクル費用を負担する自動車や家電など他のリサイクル関連法と整合性が取れないと内閣法制局から指摘を受け、法案を練り直していた。
パネルの耐用年数は一般的に20~30年とされる。環境省によると、国内のパネル廃棄量は40年代にピークを迎え、年50万トンに迫る見込み。埋め立て処分に比べてコストが高いことや、リサイクル施設がない地方もあるため、太陽光発電事業者の6割以上がリサイクルを実質的に検討していないとの調査結果もある。【大野友嘉子】
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