3連休明け20日のニューヨーク株式市場で、ダウ工業株30種平均は前週末比870・74ドル(1・76%)安の4万8488・59ドルで取引を終えた。デンマーク自治領グリーンランドの領有に固執するトランプ米大統領がその実現のために欧州8カ国に追加関税を課すと表明し、米欧の貿易戦争の懸念が再燃した。市場では「米国売り」が広がり、株安と債券安、通貨安が同時に起こる「トリプル安」となった。
トランプ氏は17日、米国によるグリーンランド領有に反対する英仏独など欧州8カ国からの輸入品に段階的な追加関税を課すと表明。「完全かつ全面的な買収合意」が成立するまで継続する方針で、2月に10%の関税を上乗せし、6月には25%に引き上げるとした。欧州連合(EU)は930億ユーロ(約17兆円)相当の報復関税で応じる構えで、米欧の対立が深刻化している。
トランプ氏は19日、パレスチナ自治区ガザ地区の暫定統治を指揮する国際機関「平和評議会」への参加辞退を表明したフランスのマクロン大統領を批判。フランス製シャンパンに200%の関税を課す可能性も示している。
事態収束の兆しがみられないことが投資家の失望を誘い、20日の米国株式市場でダウなど主要3指数の下落幅は拡大。エヌビディアが約4%、アップルとアマゾンが約3%下落した。
米国債は売られ、長期金利の指標となる10年債利回りや、超長期の30年債利回りは大きく上昇。いずれも昨年9月以来の高水準を記録した。外国為替市場では、主要通貨に対してドルが売り込まれた。投資マネーは安全資産に向かい、金価格は過去最高値を更新した。
日本でも衆院選に向けて与野党が消費税減税に言及し、財政悪化の懸念から国債を売る動きが加速している。米国債券市場は米欧の対立に加え、日本の長期金利上昇の影響も波及している。ベッセント米財務長官は20日、スイスで開催中の世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)のイベントで、債券安は米国が要因ではないとの立場を繰り返し、「日本の当局者と連絡を取っており、市場を沈静化させる発言を始めると確信している」と述べた。
21日午前の東京株式市場も、米国株安の流れを受けて日経平均株価(225種)が続落した。前日終値からの下げ幅は一時700円を超えた。午前10時現在は前日終値比445円17銭安の5万2545円93銭。【山口智、ワシントン浅川大樹】
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