
住友ベークライトは22日、京セラが手掛ける半導体向け化学材料事業を300億円で買収すると発表した。住友ベークライトにとって過去最大クラスの買収額となる。これまで同社はパワー半導体などの材料が強かったが、手薄だった人工知能(AI)データセンター向けのメモリー半導体に使う材料を強化する。
まず2026年7月に京セラが化学材料事業を手掛ける新会社を設け、製造などを担う国内外約600人が移る見通し。その後26年10月に住友ベークライトが新設会社を買収して完全子会社にする。
買収するのは半導体チップの保護に使う樹脂製の封止材や、半導体チップを基板に設置するための接着剤など。京セラが神奈川県や栃木県、福島県、中国に持つ事業所も承継する。
住友ベークライトの材料はパワー半導体など向けが主流で、メモリー半導体向けでは従来型の材料しか持たない弱みがあった。京セラはメモリー半導体向けに先端材料を持っているため買収で補完できる。AIデータセンターでは半導体が集積し出力も高まるなかで熱管理が課題になっている。封止材や接着剤には熱を逃がす効果がある。
住友ベークライトの鍜治屋伸一社長は「我々と京セラのラインアップを合わせることで(顧客に)より多くの提案ができる」と話した。
新設する会社の社名は未定で、川崎市に本社を置く。新設会社に承継される事業の売上高は25年3月期に232億円だった。
京セラは02年に旧東芝ケミカルを買収するかたちで、化学材料事業に参入した。近年の事業売上高は横ばいで、安定した黒字が出ていたが「これ以上の成長やほかの事業とのシナジー(相乗効果)が見込めない」(広報室)として売却を決めた。
京セラは業績悪化を踏まえた構造改革で、26年3月期中に売上高で合計2000億円規模のノンコア(非中核)事業の整理を計画している。これまでに建設資材の販売子会社、米サザンカールソン(直近の年間売上高で約1500億円)やパワー半導体事業(72億円)の売却を決めており、今回の売却が総仕上げになるという。
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