伊勢丹新宿本店(東京都新宿区)

日本百貨店協会(東京・中央)は23日、2025年12月の全国百貨店の中国人客数と売上高が前年同月からいずれも4割減ったと発表した。同年11月中旬に中国政府が出した渡航自粛要請が影響した。

同日発表した25年12月の全国百貨店売上高(既存店ベース)は、前年同月比1.1%減の6542億円だった。5カ月ぶりの減収となる。 免税購買客数は16.7%減の50万人で、免税売上高は17.1%減の519億円となった。国内売上高は0.6%増だった。

日本政府観光局(JNTO)によると、25年12月の訪日中国人客は33万400人と前年同月比で45.3%減だった。

26年1月1〜18日の主要百貨店の売上高は3.6%増だった。2月には春節(旧正月)に伴う連休が中国で始まり、従来はかき入れ時となる。日本百貨店協会の西阪義晴専務理事は「航空各社の発着便数の減少が目立つ。当面は厳しい状況が続くとみる」と警戒する。各社は中国以外の海外顧客の開拓などを急いでいる。

25年通年は1.5%減 免税の高額消費が失速

25年通年の全国百貨店売上高(既存店ベース)は前年比1.5%減の5兆6754億円だった。5年ぶりに前年を下回った。免税売上高は前年比12.7%減の5667億円。24年に急伸したインバウンド(訪日外国人)の高額消費が一巡し、伸び悩んだ。

免税購買客数は2.9%増の621万4000人と過去最多だった。JNTOによると25年の訪日客数は4268万3600人で、初めて4千万人を突破していた。西阪専務理事は「売れる商品が化粧品などの消耗品にシフトした結果、客数は増えても売上高が減る構図になった」と振り返る。

インバウンドを除く国内客の売上高は0.1%減の5兆1087億円だった。減少は5年ぶり。「地方百貨店の伸びが弱く、都市部との差が出ている。閉店や業態転換も響いた」(西阪専務理事)という。

地区別に見ると、東京23区など主要10都市は1.3%減でうち前年超えは5都市だった。24年に20年ぶりに1兆円を超えた大阪は万博効果で0.3%増とプラスを維持。名古屋は大型店の改装効果に加え、2月に閉店を控えた名鉄百貨店のセールが寄与し2.1%増だった。一方、10都市以外の地区は2.3%減で、地区別でも全てマイナスだった。

商品別では主要5品目のうち雑貨(2.2%増)のみプラスだった。化粧品(1.3%増)のほか、値上げ前の駆け込み需要で宝飾・貴金属など(3.1%増)が好調だった。高級ブランド品を含む身のまわり品(7.5%減)、食料品(0.4%減)などは減収となった。

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