26年度内に清水立体事業の上り線が開通する=静岡国道事務所提供

静岡市内を東西に走る国道1号静清バイパスの上り線が2026年度に開通する見通しとなった。東名清水インターチェンジ(IC)周辺を高架化する橋梁上部の工事が完了し、開通のめどが立った。沿線は清水港を利用する物流の要衝で倉庫などが集積しており、渋滞緩和で港湾物流が一段と活性化しそうだ。

静清バイパスは静岡市清水区の興津ICから同市駿河区の丸子ICまでを東西に結ぶ延長24.2キロメートルの高架道路。現在は地上の平面道路が唯一残る東名清水IC周辺の2.4キロを高架化する「清水立体事業」が行われている。25年11月に橋梁上部の架設工事が完了、国土交通省静岡国道事務所が26年度内に開通する見通しだと発表した。

今後、床部分の床版や路面舗装などの工事を経て開通する予定だ。現在、地上3車線の上り線は開通後に地上2車線と高架2車線となり、1968年に工事が始まった静清バイパス上り線は全区間が高架でつながる。

清水立体事業は当初、26年春の開通を予定していた。だが23年7月に橋桁が落下し、作業員8人が死傷する事故が起きた。工事は一時中断され、静岡国道事務所は原因の究明を進め、再発防止策を検討した。仮設部材の強度を高めるなど施策をとり、24年7月に工事を再開していた。

工事が約1年遅れたことで、人件費や物価の高騰が原因で静清バイパス全体の総工費は約45億円上振れした。清水立体事業の総工費は非公表だとしている。

東名清水IC周辺の平面道路は交差点が多く、東京などに向かう広域交通と市街地などを走る地域交通が集中して日常的に渋滞している。東京方面は長さ最大約3.6キロ、名古屋方面は最大約2.6キロにわたって速度低下が発生しているという。

清水立体事業開通後は東京方面へと通過する交通が高架部に移り、平面道路を利用して東京方面に向かう交通が約5割減る見通し。所要時間も短縮され、東名清水ICから東にある清見寺ICまでの所要時間は3.1分と現在より約2分減少する見込みだ。

近隣には国際貿易港である清水港のコンテナターミナルがあり、企業の物流拠点が集積する。物流大手の鈴与(静岡市)や地場海運会社の清和海運(同)などが拠点を置いている。

清水港のコンテナ貨物の年間取扱量は24年に51万TEU(20フィートコンテナ換算)と、1982年に比べて約6倍に増えた。一方、渋滞が激しくなるのに伴って輸送にかかる時間が増えていた。物流センターを構える鈴与の担当者は「輸送時間が短縮し、定時輸送ができるようになるなど利便性が高まる」と歓迎する。

清水港は取り扱い貨物の拡大などに向けた開発計画が策定されている。静岡国道事務所計画課の岡田豊課長は「清水立体事業はコンテナ貨物の増加だけでなく、訪日客らが利用する観光交通の拡大にも対応できる」と話す。静清バイパスの下り線の開通時期については未定としている。

(木下美雅)

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