
シャープは28日、海外事業と国内の法人向け事業に関する説明会を開いた。海外売上高比率を足元の5割から2030年度までに6割以上に高める目標を明らかにした。東南アジアと米国、中東・アフリカを重点3地域とし、現地企業と協力しながら販促や生産能力の増強を進める。
中東・アフリカ地域では、エジプトのクフ王のピラミッド内に空気清浄機9台を25年6月から設置している。消臭・除菌効果のあるイオンを放出する独自技術「プラズマクラスター」を搭載する。04年から白物家電の生産委託で協業するエジプトの家電大手・エルアラビを通じてエジプトの考古省との交渉を進めた。
ピラミッド内にシャープ製を含む複数メーカーの空気清浄機が設置されていることがSNS(交流サイト)上で話題になっていたことから、全てをシャープ製のものに置き換えられないかとエルアラビに話を持ちかけたという。
28日の説明会に出席したシャープのスマートアプライアンス&ソリューション事業本部長の永峯英行氏は「ピラミッド内の蒸し暑くじめじめした空気をきれいにしているというのはブランド強化につながる」としたうえで、「ギザの三大ピラミッド全てに設置してもらうのが目標」と話した。
エルアラビと設立した合弁会社が運営する冷蔵庫工場を新設し、26年3月にも稼働させる計画だ。経済成長に伴って拡大する中東・アフリカの家電需要を取り込む。
東南アジアのなかでも特に注力するインドネシアでは、中高年層と比べてシャープの認知度が低い若年層向けの施策として、10月以降にサンリオの人気キャラクターであるハローキティやマイメロディなどを使ったキャンペーンを始める。
米国では台所に据え付けてあるビルトイン型のレンジで高いシェアを持つが、今後はオーブンや食洗機、冷蔵庫など、販売する商品ラインアップを増やす。キッチン家電をまとめて提案し、売り上げ増を目指す。
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