衆院選(2月8日投開票)で主要政党が公約に掲げる消費税減税を巡り、九州の企業トップからは是非や財源の議論の不足を懸念する声が相次いでいる。エネルギー政策については原発回帰や大規模投資の支援を求める意見が目立つ。
消費税について自民党は「食料品は2年間に限りゼロ」、中道改革連合は「今年秋から食料品は恒久的にゼロ」と訴るなど、チームみらい以外のほとんどの政党が減税や廃止を公約に掲げている。一方、財政悪化の懸念から長期金利が急騰する場面も出ており、金融機関からは「財源の議論が乏しい」との声が目立つ。
西日本フィナンシャルホールディングスの村上英之社長は「財源の具体策を打ち出している党は非常に少ない」と指摘。「財政規律を意識した政策運営がなされるかどうか、市場や経済界は懸念している。仮に減税を実行するなら、財源確保策を講じて金融市場の理解を得る努力が必要だ」と指摘する。
同様に九州フィナンシャルグループの笠原慶久社長も「減税(の是非)に関してあまり論争がない。高齢化社会で福祉の充実が進む中、目先の物価高対策で消費税を減税するのはよい政策ではない。本当に大丈夫なのかと心配している」と話す。
西日本鉄道の林田浩一社長は「国債や国の信用の下落という負のスパイラルになる。景気刺激策として一時的に必要なのかもしれないが、中長期的には産業振興や円安是正に取り組んでほしい」と注文した。
各党のエネルギー政策は
立憲民主党と公明党が結成した中道は、将来的に原発に依存しない社会を目指しつつ、足下では条件付きで原発の再稼働を容認する姿勢で、立憲は「原発ゼロ」から方針を修正した。自民や連立を組む日本維新の会、国民民主党は原発を推進しており、原発の是非は争点となりにくい。
この状況について、九州電力の西山勝社長は「日本のエネルギー政策の基本方針である「S+3E」(安全性を前提とした安定供給、経済効率性、環境適合)の重要さが共通認識となってきた」と評価する。国が25年に策定した第7次エネルギー基本計画は、再生可能エネルギーや原子力の活用を明記しており、「今後のエネルギー政策で実現されるか見ている」と話す。
西部ガスホールディングスの加藤卓二社長は「我々はお客様に安定してガスを送るのが仕事。(ガス基地などの)大きな投資やハード面について(政府の)支援がない。エネルギー全体を総合的にみて応援してほしい」と訴えている。【中園敦二、後藤浩明、久野洋】
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