JSEが水素供給網の関連設備を建設する川崎市の拠点

川崎重工業と岩谷産業が出資する日本水素エネルギー(JSE、東京・港)は28日、荏原など6社を引受先とする第三者割当増資を実施したと発表した。調達額や出資比率は非公表。JSEは液化水素の製造・輸送・供給を担うサプライチェーン(供給網)構築を進めており、調達資金は関連投資に充てる。

JSEは川崎市の臨海部に水素の出荷設備を建設し、液化水素が積める運搬船で海上を航行して同じ拠点の受け入れ基地で荷揚げする供給網の整備計画を掲げる。2030年度までに商用化実証を終え、その後の本格運用を目指す。

今回出資を決めたのは荏原、大林組、東京センチュリー、日本政策投資銀行、みずほ銀行、三菱化工機の6社。出資受け入れ前の株式保有比率は川崎重工が66.6%、岩谷産業が33.4%だった。

23年にはINPEXが川崎重工の保有株式を取得し、JSEに資本参加すると発表していた。ただその後、INPEXが出資を見送ったことが明らかになった。運搬コストの大きさによる投資効果が得られないなどの理由があったとされる。

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BUSINESS DAILY by NIKKEI

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