
環境省と経済産業省が使用済み太陽光パネルのリサイクルを発電事業者に義務づける制度案をまとめた。メガソーラー(大規模太陽光発電)事業者から始め、段階的に対象を広げる。
脱炭素社会の実現へ太陽光発電の拡大は欠かせない。2030年代以降、大量のパネルが寿命を迎える。回収・再資源化が確実に進むよう制度を整備すべきだ。
両省は当初、メーカーや輸入業者にリサイクル費用の負担を求める制度を検討した。だが自動車や家電では所有者が負担している。内閣法制局から「整合性がとれない」と指摘され、見直した。
新たな案では発電事業者が責任を負う。まずメガソーラー事業者に廃棄計画の提出を求め、リサイクルを義務化する。中小事業者への拡大は次の課題だ。企業の建屋や敷地、住宅の屋根などへ設置されているものも、いずれ当事者に負担を求めるのが妥当だろう。
パネルは発電用のシリコンのほか、銀や銅などの金属、ガラスを含む。現状ではリサイクルは任意で、コストが埋め立ての2倍以上かかるため、進んでいない。
先行する欧州ではガラスの再利用は拡大したが、コストや技術の制約があり、金属の回収はまだ途上だ。欧州の事例も参考に、政府はパネル回収網の構築や再資源化技術の開発を支援すべきだ。
関連技術については、大手素材メーカーだけでなく、地方にも優れた企業が存在する。環境規制は負担視されがちだが、日本企業にとって好機になりうる。
資源リサイクルの浜田(大阪府高槻市)は丸紅などと協業し、再利用・再資源化事業を展開する。北九州市は地場企業と連携し、リサイクル網の構築を進めている。こうした取り組みを広げたい。
太陽光発電は新興国や途上国でも普及し始めた。いずれ、パネルの大量廃棄の時代を迎える。日本の関連システムや技術の輸出につながる可能性がある。新産業育成のためにも、リサイクル体制を着実に築くことが重要だ。
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