産総研が開発した無人走行車両は地中に電気を流して水道管を検査する(29日、福岡市)

産業技術総合研究所と福岡市は29日、道路を掘らずに上水道管を検査する技術について、9月から実証実験を始めると発表した。地中に電気を流す無人走行車両により土の質を推定し、水道管の腐食度を探る。市街地での計測は福岡市が初めて。今後も全国の自治体と実証実験を重ねて2028年以降の実用化を目指す。

福岡市での実証期間は9月1日から26年3月31日まで。天神や六本松など繁華街を含む市内6カ所で測定する。実際に掘り起こして調べたデータとの測定精度を比較検証したり、費用対効果を確かめたりする。

測定結果を説明する産総研の担当者。道路を掘らずに水道管の腐食度合いを推定できるという(29日、福岡市)

新技術では無人走行車両を走らせながら地中に電気を流し、把握した土壌の状態を通じて水道管の腐食度を推定する。海水を含む土壌など、塩分濃度が高い場所にある水道管は外側から腐食が進みやすい。

港湾都市の福岡は海水を含んだ土壌が多いとされており、水道管の腐食度を測る実験地として適していた。全国有数の都市で実験し、市街地での有用性を確かめる狙いもある。市側も先端技術の実用化を支える専門窓口「mirai@(ミライアット)」を活用し、全国に先駆けての実証実験にこぎつけた。

この技術を実用化できれば、掘って調べる手間が省ける。検査費用を現状の30分の1以下に抑えられる可能性もある。下水道管は内部で発生する硫化水素などが腐食原因となる場合が多く、外側の土壌から検査する今回の手法には適さないという。

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