放置竹林の幼竹から作った「無限めんま」=福岡県糸島市で2026年1月23日、井上和也撮影

 無限においしく食べられて、社会問題を解決できる可能性も無限--。思いの詰まったメンマが、福岡市の西隣、福岡県糸島市の会社で製造・販売されている。その名も「無限めんま」だ。

 ラーメンのトッピングでおなじみのメンマは「めんの上に乗せる麻竹」が語源といわれる。国内で流通するのは、中国などの外国産がほとんどだ。

 そんな中で、地元の放置された竹を使う会社が「竹次郎」だ。古賀貴大社長(38)は長崎市から糸島市に移住。レストランと食品加工事業をしていた時に、新型コロナウイルス禍に直面した。

 飲食業は苦境に立たされたが、農家など多くの人に助けられていることを再認識した。地域に貢献できるレストランを目指そうと考え、目を向けたのが放置竹林問題だった。

 2021年、竹事業部を設立。タケノコとして食べる時期を過ぎた糸島の「幼竹」を原材料に、味付けのしょうゆにも糸島産を使ったメンマ作りを始めた。

「無限めんま」の袋詰め作業をする従業員=福岡県糸島市で2026年1月23日、井上和也撮影

 幼竹は4月中旬から5月上旬に収穫する。管理を委託された竹林で2メートル以上に伸びたものを伐採して先端の30~40センチを切り落とし、残った部分の節を取ったり皮をはいだりして湯がき、塩漬けする。それを鍋で炊くと「香ばしさと味の深みが出る」という。

 所有者の高齢化などで放置竹林が増えることから、取り組みを継続できるよう収益性を重視。竹林の管理を無料で引き受け、メンマを販売することで竹林整備の費用を生み出す仕組みを構築した。

 糸島市内では23年、竹林整備を学び、意見交換する「純国産メンマサミット」が開かれ、全国から約400人が集まった。実行委員長を務めた古賀さんは「国産メンマを食べてもらうことで竹林保全の促進につながる」。

 竹次郎のメンマの生産量は、21年度の18トンから25年度は約60トンまで増えたが、古賀さんは目標を「生産量増ではなく、放置竹林をなくすこと」ときっぱり語る。【井上和也】

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