「獺祭」の桜井博志会長=東京都千代田区で2026年1月20日午前10時56分、植田憲尚撮影
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 酒米の王者と称される「山田錦」のみを原料に使う「獺祭(だっさい)」(山口県岩国市)は、獺祭向け山田錦を生産する農家を対象に、できばえを競う「最高を超える山田錦プロジェクト」を2019年から開催している。25年はグランプリの賞金を1000万円アップの4000万円にした。

 獺祭は国内で生産される山田錦の約4分の1を購入している。コメ高騰の影響が日本酒の原料米にも波及して酒造会社の経営を圧迫しているが、桜井博志会長は「獺祭に納入してくれている農家を支えていくため」と意義を強調する。

 一方で日本のコメについて、兼業農家の生産額が多くを占めることに「政府の農業保護政策が成功しているが、結果として淘汰(とうた)が進まず日本農業自体の地力が落ちている。適正な規模のコメ農家が生き残るべきだろう」とも訴える。

 そのうえで「もうかっている農家を見ると、必ず次世代を担う方がいる。いい山田錦は高く買い取る方向でやっていきたい。そのため、より高品質の酒、より高い売り上げを目指していく」と力説した。

 人手不足は酒造業界でも課題だ。そこで22年には業界きっての高待遇となる初任給30万円を提示した。「働くうえで一番大事なのはモラルとプライド。それらを持ってもらうための条件としての給料を準備した。人材は集まっている」【植田憲尚】

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