
滋賀県東部を走る近江鉄道(同県彦根市)の鉄道線は1日、JR西日本の交通系ICカード「ICOCA(イコカ)」を導入した。彦根など4駅で接続するJRとの乗り換えが容易になった。小学生向けのこども用ICカードを使えば1回あたり10円均一で乗車できる。「地域の足」として子育て世帯を沿線に呼び込み、地域活性化につなげる。
同社によると、こども用ICカードを通じた均一運賃は西日本エリアの鉄道会社では初めて。幼少期から近江鉄道線に親しんでもらい、保護者の同伴利用も期待する。同様のサービスは近江鉄道に全額出資する西武鉄道も14日に50円均一で始める計画だ。2022年には小田急電鉄が日本の鉄道会社で初めて実施し、他社に広がった。

ICOCAの活用は24年4月に鉄道線が上下分離方式という再建策に移行してから追加した、初めての本格的な利用者サービスだ。全33駅に入場機を設け、ICOCAだけでなく、相互利用できるSuica(スイカ)など9種類のICカードも利用できる。その代わりに紙の乗車券は原則廃止し、一段の合理化に着手した。
近江鉄道の鉄道線は沿線住民の減少で採算が悪化し、上下分離方式に取り組む。線路など施設(下部)を切り離し、県と沿線10市町でつくる近江鉄道線管理機構(彦根市)に移して膨大な保守コストから解放された。運行(上部)に専念するとともに、浮いた経費で利便性を高める努力が求められていた。
近江鉄道の鉄道線の営業収支は計画通り、26年3月期も黒字になる見通しだ。藤井高明社長が1日、彦根駅でICOCA導入式典後、明らかにした。16日に県内で開く官民協議会で報告する。黒字は上下分離方式への移行後、2期連続。「乗降客の動きをビッグデータとして正確につかめる」と述べ、新事業に生かす考えを示した。
近江鉄道は西武グループの関西における戦略拠点のひとつで、バス、タクシーのほか、不動産事業も手がける。
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