スポーツ用品メーカーのミズノとサッポロビールは2月下旬、ノンアルコールビール「サッポロ SUPER STAR(スーパースター)」を発売した。
スポーツ後に楽しむ商品としており、クエン酸や運動後に失われやすいナトリウムを配合。すっきり爽やかな香りが特徴という。近畿エリア限定でのスタートだが、今後全国展開を目指す。
スポーツ用品などを手がけるミズノが、なぜノンアルビールの市場に参入したのか。
プハーッと一杯!
ミズノがノンアルコールビールを手がけるのは、2022年に南信州ビールと共同開発した「PUHAAH(プハー)」に続き二つ目となる。
プハーはオンラインや、ミズノが管理・運営する施設などで販売する。リピーターも年々増え、ミズノが運営・管理する施設における24年度の売り上げは前年度比7割増となった。特に、ビールの売れ行きが伸びる夏から、スポーツ大会が多く開催される11月ごろまで好調な売れ行きを見せる。
2月に発売したスーパースターは、ノンアル市場のさらなる拡大を見据えたサッポロが、スポーツ後の飲用機会に着目。すでに関連商品を手がけていたミズノ側に打診し、発売にこぎ着けた。
一方、打診を受けたミズノ。なぜ快諾したのか。ミズノが理由として挙げるのが「大人のスポーツ継続率」の低さだ。
大人になってスポーツする人の中には、ダイエットや健康管理を目的とした人も多い。楽しむより義務感を感じるケースが多く、継続できない大人は多いという。
そんな中、ミズノがヒアリングする中で着目したのが、「ビールの一杯のためなら、頑張れる」という声の多さだった。
一般的に、スポーツ後のアルコール摂取は推奨されていない。
利尿作用があり、アルコール分解にも体内の水分を必要とするため、運動後にアルコールを摂取すると脱水症状を引き起こすリスクがあるためだ。
プハーとスーパースターの開発に携わる、ミズノ総合企画室の近藤由佳さんは「スポーツ用品メーカーとして、アルコールは勧められません。ただ、ビールの爽快感や乾杯の楽しさが運動のモチベーションになるならば、ノンアルビールは我々がやるべき事業だと考えました」と話す。
ノンアルビールは、すでに大手ビールメーカー各社が注力している分野の一つだ。
既存商品での競争は激しいが、近藤さんは「スポーツ後の状態は(体の状態や気分が)通常とは違います。スポーツ後は爽やかさや多少の酸味が好まれる傾向にあり、プハーの開発においては、そうした点も踏まえてホップの選定などを進めました」と説明する。
開発過程では、実際に社員らが走り込みをした後に味わいを確認するテストも繰り返したという。
近藤さんはプハーの反響について「想定以上」としながら、今後の展開については「あくまでスポーツへの行動を起こしてもらうことが我々の課題であり、ビジネス。スポーツ継続率などの反響を見極めながら考えていきたい」とする。
サッポロによると、スーパースターは発売2カ月間ですでに年間計画の約9割の出荷を予定する。
国内では健康志向の高まりなどから、ノンアル市場は拡大傾向にある。
大手各社が商品開発に注力する中、スポーツ後など限られたシーンに焦点を当てた商品が今後浸透していくか注目される。【松山文音】
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