
量子科学技術研究開発機構(量研機構、QST)とNTTは25日、核融合の制御に必要な高速通信技術を開発したと発表した。核融合を起こすために必要なセ氏1億度を超えるプラズマ状態を維持するために必要な技術で、核融合発電を長時間維持できる可能性を高めると期待される。
QSTが茨城県那珂市に建設した核融合実験施設「JT-60SA」は世界最大の「トカマク型」の核融合実験装置で、コイルをドーナツ状に並べて磁場をつくる。23年に初めてプラズマ発生に成功した。現在は高温高圧なプラズマを長時間発生させるための増強工事を進めており、26年末までにプラズマを発生させて加熱する実験を行う計画だ。
プラズマは温度が上がると上下に振動したり、形状が変化したりして、崩壊しやすくなる。センサーなどで、どのような変化が起きるか予測し、リアルタイムでプラズマを制御する必要がある。高温のプラズマを維持するにはセンサーなどによる計測から制御まで1万分の1秒となる100マイクロ(マイクロは100万分の1)秒以下での通信技術が必要があった。

25日に那珂市のJT-60SAで、報道陣向けに高速通信を公開した。実験では核融合制御に必要な情報量である1キロバイト程度のデータを20〜30マイクロ秒で送受信できた。
QSTとNTTは2020年に連携協力協定を締結し、核融合施設に必要な通信技術の開発を進めてきた。QSTの伊藤久義理事は今回の技術開発について「長時間運転の可能性を大幅に向上させる成果だ」と説明する。NTT情報ネットワーク総合研究所の辻ゆかり所長は「核融合技術の実現を下支えする技術開発に取り組んでいきたい」と話した。
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