
積水化学工業の子会社、積水ソーラーフィルムは27日、薄くて軽いペロブスカイト太陽電池の販売を開始したと発表した。同社によると、日本国内のメーカーでペロブスカイト太陽電池を発売したのは初めてという。自治体や避難所に使われる体育館などに向けて販売を進める。
ペロブスカイト太陽電池「SOLAFIL(ソラフィル)」の販売を開始した。大きさは幅1メートル、長さ1.5メートル。設置場所によって異なるが発電効率は15%で、耐久性は10年としている。フィルム型のため軽量で薄く曲げられることから、耐荷重の低い工場や学校の屋根にも設置できる。価格は非公表。
まずは環境省が公募した導入支援事業で採択されたさいたま市や東京都などの自治体、西日本高速道路に向けて販売する。
同社は2027年度にシャープの堺工場で年10万キロワットの量産設備を立ち上げ、30年までに年100万キロワット級に生産能力を高める計画だ。100万キロワットは原発1基分に相当する。性能についても30年までに発電効率20%、耐久性20年を目指して開発を進める。
太陽電池を含むエネルギー関連は高市早苗政権が掲げる17の戦略分野にも挙げられている。国は再生可能エネルギーを主力電源にする方針で、40年までに累計約2000万キロワットのペロブスカイト太陽電池の導入を目指している。
ペロブスカイト太陽電池は従来のシリコン太陽電池に比べて、レアアース(希土類)などを使わない。主原料となるヨウ素の生産量は日本が世界2位で、エネルギー安全保障の観点からも期待がかかる。
積水化学工業のほかにもパナソニックホールディングスが26年度に試験販売、京都大学発新興のエネコートテクノロジーズ(京都府久御山町)が27年度に量産設備の稼働を目指すなど、各社が参入に向けて研究開発を進めている。
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