日本銀行本店=2020年1月9日、松倉佑輔撮影

 日銀が1日発表した3月の企業短期経済観測調査(短観)は、大企業・製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)が4四半期連続で改善したが、3カ月後の先行きは悪化した。米国とイスラエルによるイラン攻撃で中東情勢が悪化し、大企業・非製造業も含め、幅広い業種で先行きの悪化が目立った。

 中東情勢を踏まえた日銀による企業の大規模調査は初めて。日銀は27、28日に金融政策決定会合を控えており、追加利上げするかどうかの判断材料にする。

 大企業・製造業のDIは前回2025年12月調査から1ポイント改善のプラス17だった。人工知能(AI)や半導体需要の増加、円安による輸出関連企業の業績好調が下支えした。ただ、中東情勢の悪化で、石油・石炭や化学で原油の供給不安や価格高騰によるコスト上昇懸念が下押し要因となった。先行きDIは3ポイント悪化のプラス14で、全16業種のうち11業種が悪化した。製造時に重油や石炭を使う紙・パルプの20ポイント悪化が最大の下落幅となった。

 大企業・非製造業のDIは前回同様プラス36。円安による仕入れコストの上昇が響いたほか、イラン情勢への懸念から運輸や郵便で企業マインドの悪化が広がった。先行きDIは7ポイント悪化のプラス29で、全12業種のうち10業種が悪化した。

 全国約9000社が回答した。イラン攻撃は2月28日に始まり、回答期間は同26日~3月31日。回収基準日の3月12日までに約7割が回答したため、中東情勢の影響が完全に織り込まれてはいない。【高田奈実】

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