テスラが発売した「モデルYL」(3日、東京都新宿区)

米電気自動車(EV)大手テスラの日本法人は3日、6人乗りの多目的スポーツ車(SUV)「モデルYL」を発売した。2025年に中国で発売したモデルで、価格は749万円。6人乗りは国内で競合するEVが少ない「空白地」だ。家族向けの需要を開拓する。

同日に受注を始め、4月末からの納車を予定する。国のEV補助金が127万円適用されるため実質622万円で購入できる。航続距離は788キロメートルで、テスラが日本で販売する車種で最長となる。

テスラのSUV「モデルY」の派生車種で、同車より車体を約20センチ長い約5メートルにして3列シートにした。2列目と3列目のシートは電動で位置調整でき、完全に倒して車中泊にも使える。

「モデルYL」の3列シート

モデルYLは中国で25年8月に受注を始め、26年3月からオーストラリアやニュージーランドでも発売した。日本法人の橋本理智社長は「ファミリー層の需要を獲得して、マーケットリーダーとしてさらにEV販売をけん引していく」と意気込んだ。

国内では子どものいる家庭などで3列シートの需要が高い。25年の国内車名別新車販売ではトヨタ自動車のコンパクトミニバン「シエンタ」が7位、ホンダ「フリード」が10位に入った。

一方で3列シートのEVは少なく、独フォルクスワーゲン(VW)が25年に発売したミニバンEV「ID.Buzz(アイディーバズ)」(888万9000円から)などに限られる。

「モデルYL」の2列目、3列目シートを倒した状態

26年にはスウェーデンのボルボ・カーが7人乗りの大型SUV「EX90」を日本で発売する予定だ。国内に6人以上乗れる日本メーカーのEVはなく、テスラは空白地となっている家族需要を取り込む狙いだ。

テスラは日本で販売を急拡大している。日本自動車輸入組合(JAIA)によると、25年の国内販売台数は前年比9割増の約1万600台で過去最高だった。実店舗や整備施設、充電拠点を増やしている効果が出始めた。

同社は1日、新車購入者を対象に独自の急速充電網「スーパーチャージャー」の料金を3年間無料にすると発表した。モデルYLも対象になる。中東情勢の緊迫化を受けて国内のガソリン価格は3月に一時急騰した。ガソリン車からの乗り換え促進と合わせて新車種を訴求する。

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