
名古屋大学は1日、同大学の研究室と名大発スタートアップが共同開発した電子ビームによる半導体検査技術について、キオクシア岩手(岩手県北上市)の製造現場で導入評価を始めると発表した。異物検知などの検査時間を短縮し歩留まりの大幅な改善が期待できるという。社会実装を目指して効果を検証する。
名大の天野浩教授、本田善央教授の研究室と名大発スタートアップのフォト・エレクトロン・ソウル(名古屋市)は、窒化ガリウム(GaN)材料に光を当てて電子ビームを発生させる装置(電子銃)を開発した。
既存の検査機械が電子ビームを発生させる方法は、電子の量が少なく検査に時間がかかるなどの課題があった。名大発の装置は従来より検査が速くなるほか、半導体の深い溝の中の異物も詳細に捉えられるという。
記者会見したキオクシア岩手の柴山耕一郎社長は「検査のスピードや装置の耐久性について10%ほどの改善をねらう」と期待を寄せた。導入評価は9月から始め、まずは1年ほどで結果をみる。天野教授は「(今回の)窒化ガリウムを用いた技術は様々な応用が期待される」と述べた。
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