
ミニストップは1日、おにぎりや弁当など店内調理品の消費期限偽装問題に関連し、都内で記者会見を開いた。堀田昌嗣社長は「食の安全安心を守り、正直な商売を実践することへの認識が甘かった」と陳謝した。記者会見には親会社イオンの渡辺広之副社長も出席した。主なやり取りは以下の通り。
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――消費期限偽装の背景として、原因をどのように見ていますか。本部からの指示や圧力はあったのでしょうか。
堀田社長「本部からの指示や圧力は一切なかったと考えている。ミニストップの全ての担当者を面談したわけではないが、組織的に不自然な行動がなかったという確認は取れている。偽装の真因は商品の廃棄ロスや経費を少なくしたいという目的や従業員の勤務の都合だ」
――なぜ同じような不正が同時多発的に起きたのでしょうか。偽装が起きた店舗と起きなかった店舗との違いをどう分析していますか。
堀田社長「昔に比べてフランチャイズチェーン(FC)のオーナーが複数店舗を経営することが多くなっている。会社のような組織になっており、目が行き届かず教育や指導ができていなかった。本部の責任として反省すべき点だ。従業員のオペレーション上、大変でやってしまったということもある」
「FCだからいいということではない。商品をお客様に提供できるかどうかは『自分の家族に食べさせられますか』というキーワードで社内で話している。本当に反省しなければならない。これは本部の責任、最終的には私の責任でもある。お客様に許してもらえる形になるよう進めたい」
――健康被害はありませんでしたか。
堀田社長「該当店舗で商品を購入したお客様から体調不良になったという連絡が2件あった。病院に行くほどではなかったようだが、おわびや返金などの対応をした。(消費期限を偽装した)商品を食べたから体調不良になったのかという因果関係は分かっていないが、該当店舗で商品を購入していたことは事実だ」

――イオングループとしての不祥事という認識を持っていますか。
イオン渡辺副社長「グループ会社なので、そうだ。食品の安心安全という信頼性を毀損した大きな事案だ。食の安全性に関わる対策はやり過ぎるということはないので、グループ内でも調査をするように伝えている。(ディスカウント店)イオンビッグでは産地の不適切な表示について指導を受けたので全社で再発防止に向けて徹底していく」
――処分や自身の進退についてはどのように考えていますか。
堀田社長「ミニストップでビジネスをやっている加盟店に大きな影響を与えてしまったことを猛省している。しっかりと対策しておにぎりが食べたいという客に元の通りに提供することが今やるべきことで、責任を取る取らないという以前の問題だ。世間を騒がせている状況をしっかり受け止めて、加盟店とともに会社全体を元に戻すことが私の責任だ」
イオン渡辺副社長「イオンでも合同で調査を行っている。事案の内容によって、一定の処分が必要な場合は処分していく。ただ、まずは信頼回復に努めることが大事だ。春に新体制にしたばかりなので、加盟店の食品の安全に関わる検査など脆弱だった部分の強化にあたっていく」
――再発防止策を講じて店内調理の商品の販売を再開するメドは。
堀田社長「おいしいおにぎりを食べてほしいという思いはあるが、安心安全を担保できない限りは再開できない。時期についても近くという次元ではない。再発防止策をしっかり取り、安心安全だとお客様に認めてもらえて初めて再開できる。いきなり1700の全店舗ではなく、オーナーの意向や従業員の状況、本部や第三者の意見を踏まえて許可制にする」
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